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器  UTSUWA

蓮さんの師匠、番浦史郎先生は、魯山人の孫弟子にあたる方だそうです。

『器は料理の着物』

という、名言があります。

その言葉通り、来客がある時には必ず、自作の器と料理で、客人をもてなされた番浦先生。
蓮さん達弟子が、朝、母屋へ入ると、アメリカ式の大きな冷蔵庫に、
客人のリスト、盛り付けの器、お料理、レシピがびっしりと書かれ、貼ってあるそうです。
それを見た弟子達は、食材を調達し、下ごしらえの準備にかかり、料理をつくって、
もてなしの準備を整えるのだそうです。
修行時代、陶芸を学ぶというより、殆ど料理を学び、
器と料理の関係性や、美意識、客人のもてなし方を学ぶことばかりだったそうです。
そうした、師匠のスタイルが、作陶家としての自身のスタイルに取り入れられ、生かされています。


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『味人』掲載より。作品、料理ともに、蓮さんの自作。


会場にも、たくさんの器が揃っています。

灰釉、鉄流灰釉、焼〆、三島手、粉引
バリエーション豊かな器。
昔は、琵琶湖だった伊賀の地層は、バームクーヘン状になっており、
豊富な種類の土が採れます。
蓮さんによって選ばれた、土のひとつひとつが、
器となり、料理を包み、まるで着物のように引き立てます。


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伊賀特有の、ダイナミックな土味を生かした、蓮さんのうつわ。
料理や茶菓子を盛りつけると、とても表情が優しくなります。
品があって、とても使いやすい。
そして、収納力も抜群です。
数々の料理人から愛される理由がわかります。
30代40代の、若い世代の人達にも人気があります。

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昨日は、随分温かくなりました。
もう少しだけ、お天気が持ってくれることを、祈ります。


【土の顕象】

蓮 善隆  Yoshitaka HASU

~4/1(日)まで。 am11:00~pm6:00
最終日、蓮さんご夫妻来廊。

〒671-1226
姫路市網干区高田297 古民家ギャラリーWEARCH(ウィアーチ)内

gallery集shu-(ギャラリー・シュウ) 
tel:090-1480-4270
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by gshu-gwearch8 | 2012-03-31 08:21

匣 HAKO


蓮さんの作品の中で、代表する作品。

【匣】HAKO

土の塊をこしらへ、切り分け、それを刳り貫いて作ります。
土の目地が通っているので、狂いが少なくなります。
30年ほど前から作り続けられている、代表的な作品です。
料理の器としての匣に始まり、ここ数年では、
アート性の高いオブジェに発展しています。
毎年開催される、アメリカ・サンタフェでの個展では、
とても人気の高い、作品です。


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今回の大作。
12段の重箱スタイルになっています。
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お花をあしらってみました。
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アメリカでは、純粋にアートとして愛眼されるそうです。
作品に手を加えるということは、完成したアートの美を壊すことになるのだそうです。
日本人の私達は、『用の美』という言葉の通り、
使うことによって、その美意識を引き出します。
作品の表情を楽しみます。


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『匣』という文字を漢和辞典で調べてみると、

‘ふたつがついて、ぴったりかぶさるはこ’

と、書いてあります。

まさに、蓮さんの匣には、この意が内包されていると思います。
合わさった象を楽しみ、蓋を開けて見える表情を楽しみ、
そして、うつわとして愉しむ。
匣の中の宇宙。
使い手によって、その宇宙が描かれてゆくようです。


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by gshu-gwearch8 | 2012-03-31 07:36

共演

今回、蓮善隆さんの個展に寄せて、
女流書家で歌人の寺本一川(てらもといっせん)さんが、
書と抽象墨絵、墨象コラージュを、協力出品下さいました。

さらに、【凛】とした空気が漂って、
土の強さを、やわらげ、時には引き立て、
一川さんならではの、はんなりと、華のある空気感を醸し出しています。

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そして、春分が過ぎての嵐を、春一番とは呼ばないものの、
初日から3日間は、風も強く、古民家にはまだ、冬が居座っています。
寒さに負けず、会場に生けられた花は、満開になりつつあります。
お花を見ていると、春を感じます。
心に春の日差しと、華やぎを運んでくれます。

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昨日、4日目になって、ようやく小春日和になってきました。
蓮さんの作品に魅せられて、何度もお越し下さる方もあります。
会場の寒さに負けず、みなさんゆっくりと作品と対峙して下さっています。
囲炉裏で、お茶を入れながら、そんなみなさんの様子を、
微笑ましく眺めています。
私の心の中にも、温かな日差しが射してくるようです。



【土の顕象】

蓮 善隆  Yoshitaka HASU

3/24(土)~4/1(日)まで  am11:00~pm6:00

〒671-1226 姫路市網干区高田297
         古民家ギャラリーWEARCH(ウィアーチ)内

企画:galleri集shu-(ギャラリー・シュウ) 
連絡先:090-1480-4270
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by gshu-gwearch8 | 2012-03-28 07:51

土の顕象

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鉄流灰釉花器 Yoshitaka HASU


明日から、展示会が始まります。
姫路市網干区にあります、古民家ギャラリーWEARCH(ウィアーチ)での
久しぶりの企画展です。

伊賀の陶芸家 蓮善隆(はすよしたか)さんの個展です。

昨日、奥様の加都子さんと、遠路作品を持って、搬入にいらして下さいました。

とても息の合った、パートナーであるお二人。
ご夫婦二人揃って、陶芸家。
それぞれ、作家活動をされているのですが、
展示会の時には、お二人協力しあって、準備、搬入搬出されるそうです。

お昼過ぎに、到着。
遅いランチを、近くのインド料理店で済まして、作品の搬入です。

手際良く、梱包を解いて作品を出していかれる、加都子さん。
作者の蓮さんよりも、作品の内容やリストを把握してらっしゃいます。
そして、大物作品の位置決めをしていかれる、蓮さん。
とても、粋の合った、コンビネーションです。
二人で、空間を見ながら、作品をひとつひとつ、居場所を決めてゆかれます。
いつもは、私がレイアウトを行うのですが、
あまりに息の合ったお二人の様子に、お任せすることにしました。

うつわのコーディネイトは、普段お料理で使ってらっしゃる加都子さんの好みで、
並べていただきました。
そして、そのほかのうつわのレイアウトは、私が担当します。


そして今日、春の嵐で、雨が降りしきる中、
フラワーデザイナーの久美子先生と、
池坊でお花を教えてらっしゃる君子さんが、
お花を生けに来て下さいました。

昨日蓮さんがお庭から持ってきて下さった、桜と椿。
行きつけの花やさんで久美子先生が見つくろってくださった、雲竜柳と白いチューリップ。
君子さんは、お庭と畑で育ててらっしゃる、ピンクの椿や、色んなお花を、
沢山持ってきて下さいました。

フラワーアレンジと華道。
それぞれ、得意の感性を発揮しながら、
セッションして下さいます。
今では、毎回、この古民家でギャラリーをする時の、恒例となりました。

お花が入ることで、まだ寒さを感じる古空間に、
春の訪れが感じられます。

明日は、もう少し、いいお天気になれば、嬉しいのですが。
しとしと、雨の音がする古民家も風情がありますが、
また、遠方から在廊にいらして下さる蓮さんのことを思うと、
雨があがってくれることを祈ります。

会場にいらして下さる皆さんが、
どんな出会いと、発見をしてくださるのか、楽しみです☆


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たまたま訪れたギャラリーの会場。
波の様な造形に、水墨画を想わせる窯変の景色。
タタラ作りの長い板皿に、一瞬で心惹かれた。

大きな仕事を終えた自分へのご褒美に、迷わず購入。
同景の徳利もお揃いで手に入れた。

そして、6年後の去年の夏。
伊賀の自宅と工房を、初めて訪ねた。
生垣を飾る沢山の蓮が、玄関へ誘う。
通されたギャラリーの和室。
冷たいお茶とお菓子をいただき、新作のうつわで料理をごちそうになった。
美しく盛りつけられた、美味しい手料理。
それが、蓮流のおもてなし。
どの作品からも、蓮さんらしい薫りが漂う。
バリエーション豊かな伊賀の土を匠に生かし、
塊を削り出してフォルムを作る。
窯変、灰釉、ビードロの豊かな表情。
どんな作品からも、

「自分らしい存在感を醸し出したい」

と語る。

プロの料理人にファンの多いうつわから、
海外で人気のオブジェまで。
使ってこそ解る、その個性。

春の息吹に似合う、作品が揃います。



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蓮 善隆  Yoshitaka HASU

【土の顕象】

2012.3.24(土)~4.1(日)
am11:00~pm6:00

作家在廊日 3/24,25,4/1

会場:〒671-1226 姫路市網干区高田297
    古民家ギャラリーWEARCH

連絡先:gallery集shu- ギャラリー・シュウ
     tel:090-1480-4270
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by gshu-gwearch8 | 2012-03-24 00:14

旅する布

初日は、雪。

珍しく、雨に変わることなく、一日中降り続きました。

東京から在廊して下さった岡崎真奈美さん。

そして、遠路訪ねて来て下さった、彼女のファンの方達。

雪で列車のダイヤが乱れる中、訪ねて下さいました。

外の景色とは違って、布の鮮やかな色彩で

春爛漫の様に、温かな空間になりました。


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彼女が集める布は、すべて、家族の中で生まれ、息づいているもの。

自分の足で、布を見つけて、一枚一枚、女性達から譲り受ける。

世界中から集まる、布のコレクターやディーラー達。

ビジネス目的で作られた布ではなく、

眼に見える誰かの為に、愛情と誇りを注いで、時間を繋ぎ、作り上げたものを選ぶ。

彼女の審美眼によって、布の中にあるエネルギーや、美しさが見出されます。



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中国の部族の、子供の前掛け。

元気に、すくすく育つように・・・ という、母親の願いと愛情が込められています。

鳥や花、手を繋ぐ子供達の姿・・・など、カワイイモチーフで刺繍が施されています。

【手当て】ならぬ、【布当て】、布が守って、癒してくれますように・・・。


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ティーモールの布。

とても色鮮やかで、大らかで、ダイナミックで、

そして、アートに溢れている。


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自給自足の生活。すべてが一貫した手仕事。

一日の時間のすべてが、家事と育児、子育て、農作物や家畜の世話。

その合間のわずかな時間を生みだし、布の仕事をする。


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布を織ることは、女性としての誇り。

神様と通じる時間。至極の時間なのです。

西ティモールでは、こうした暮らしを守り抜くことで、伝統が少なからず生きています。

でも、もうそこまで、文明の波は押し寄せて来ています。

いつかは、こうした文化が消えてしまう時が、やってくるかも知れません。



岡崎さんの手に渡った布が、彼女の手によって、私達の身近な所まで、やってきます。

沢山の布の中から、子供たちも、しっかりと、自分の布を選びます。

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いつも、パパと遊びに来てくれる、チヅカちゃん。

自分で選んだ布を巻いて、おしゃれをして、来てくれました。

パパも、ママも、初めてのティモールの布を、好きになってくれました。

小学一年生の彼女は、迷うことなく、自分の布を見つけました。



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この布を見ていると、とても幸せな気分になります。



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色とりどりのラナンキュラス。

会期中デッキの庭で、精一杯、咲き続けてくれました。

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会期の最終日には、桜も少し、花を咲かせてくれました。



岡崎さんが布を旅して、見つけた布は、国や文化を超えて、

布も旅をしているように思います。

おじいちゃん、おばあちゃん、ママ、パパ、そして子供達。

世代を超えて、そして繋がって、【大切なこと】が、受け継がれているように思います。

眼に見えないけれど、大切なこと。

それを、感じていただける、お手伝いができること。

そんな仕事ができて、とても幸せです。



岡崎真奈美さん、

彼女の来訪を歓迎してくださったみなさん、

そして、布を好きになってくださった方々、

すべての方々に、感謝です。





次の再会を楽しみにしています・・・・



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by gshu-gwearch8 | 2012-03-06 01:57