掌から生まれる象・・・・
井内 素(いうち もと)さんといえば、この【朱い】土化粧。
古代朱を思わせる、しっとりとした朱。
まるで、漆器のよう・・・とみなさんおっしゃいます。
自然の光で、その色の深みと表情が、更に際立ちます。
従来の赤土に加え、試行錯誤、
土化粧のバリエーション、焼成のバリエーションを増やして
作品に新たな表情が加わり、
小さな空間に、【Moto Coler】が溢れています。
お酒が好きな素さん。
仕事の後には、毎晩晩酌を楽しまれるそうです。
まあるくて、あったかい象の酒器。
掌に優しい、安心して酔える器です。
そして、今回の作品から、お茶道具を見立ててみました。
紅茶やコーヒーをテーブルで頂くように、
お抹茶を頂く器として、
カジュアルに楽しめそうです。
作品をお借りして、お抹茶を点ててみました。
お茶の色の映りも美しく、
掌の感触、唇の当たりといい、
とても心地の良い、お道具として使えます。
これから、お抹茶を楽しみたい人には、
ぜひ、オススメです。
‘お椀‘と表記された作品を購入下さったすべでの皆様が、
お抹茶碗に・・・と、見立てて下さいました。
使う人の心粋で、お抹茶碗に出世です。
こんな、愛らしい作品も。
『コマイヌ』
‘あ・うん’の表情、
どちらが‘あ’で、どちらが‘うん’か、わかるでしょうか?
微妙な角度が、表情を作っています。
空間に散りばめられた器の、ひとつひとつに、
表情があります。
掌から生まれる‘象-カタチ-’
温かな指の址が、リズムを刻んでいます。
その指址に、化粧された土が、陰影とグラデーションを作り、
古代の器さながら、現代へと、
り・デザインされたような、
懐かしさと、体温を感じさせてくれます。
京都伏見の町中に残る、築200年の古民家。
素さんのおばあちゃんのその家で、
古空間に残る骨董に囲まれ、
日々愛用しながら、
おばあちゃんとの暮らしの中、
彼の作品は生まれてきました。
おばあちゃんが亡くなった後、
その古民家は、おじさんに受け継がれ、
旅館として、再生されました。
その近くに、長屋を借り受け、
リノベーションした工房で、作品を創っています。
素さんの発想の中には、
こうした、温かな記憶がベースとなって
カタチづくられているのではないかと、思います。
人柄もさながら、
静かなペースの中に、モノ作りの情熱が垣間見られます。
工芸好きのお客様からは、
さらなる作品のステップアップを期待する声が、沢山でした。
次回が、とても楽しみです。
残暑厳しい暑さの中、
遠方からも、沢山お越し下さいました。
購入下さった皆様すべて、と言っていいほど、
素さんへ、エールを下さいました。
感謝申し上げます☆
by gshu-gwearch8
| 2012-09-06 07:41