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民芸のチカラ



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会期中、二度も台風にさらされ、梅雨の真っ唯中での展覧会となりました。

会場は、いつも季節の花々で彩られ、
梅雨のじめじめした空気を清浄するかの様に、
私達の心を爽やかにしてくれました。



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この度の展覧会は、
地元倉敷の町を愛する二人の陶芸家の作品を通して、
民芸の力、工芸の魅力をご紹介する展示を行いました。

酒津焼の岡研作さん、
黒備前の篠原紅陽さん。

作品を通じて、お二人が、とても倉敷の地を愛してらっしゃることが伝わります。


倉敷といえば、【民芸】が息づく土地、というイメージがあります。
そして、工芸の香りが醸し出す町、という印象を感じます。


民芸の美しさを世の中に広め、その価値を見出した柳宗悦。
民芸運動の先駆者であった彼を、スポンサーとして支えたのが、
大原美術館の創設者、大原孫三郎でした。
柳宗悦と交流を深め、孫三郎自身も民芸品を集収しました。
日本初の民藝館となった日本民芸館は、大原氏の援助により、創設されました。
そして、倉敷美観地区にも倉敷民藝館が建てられ、
柳宗悦と共に、民芸運動を支えました。

柳に賛同した、名工達。
濱田庄司、富本憲吉、河井寛次郎、そしてバーナードリーチ。
日本各地の窯元を訪ね、その地に息づく民芸のチカラを見出し、
時には指導を行い、美意識を高めました。

倉敷は、幕府の直轄ではなく、天領とされていたそうです。
文化に対する意識の高さは、そうした歴史の楚から育まれたのかも知れません。


倉敷民芸の酒津焼。
父子相伝受け継ぐ、岡本研作さんが、私達に話して下さいました。



民芸とは、
柳宗悦が見出した、あの時代の民芸品を捉えて言われることが多いけれど、
そうではなく、
民芸は、その時代、時代の中で、ずーっと受け継がれており、
今も、産み出され続けているのですよ。

変わることなく、【用の美】としてあり続けること。
デザインや個性の前に、モノとしてスタンダードな美しさを保ち続けること。
時代の変化に大きく左右されるのではなく、
いつの時代にも通用する、【用の美】を醸し続けること。

それは、作家としてモノを表現することと、相反する部分でもあります。
民芸としての酒津焼を継承し続けながら、
六代目窯元としての、‘自身の作品’と認められる作品を作ること、
これが、課題でもあり、使命だと思っているんです。
ただ、個性を表現すればいい、というだけではなくね。
難しいですけれど・・・・・。



普段は寡黙な岡本さんが、ポロっと、お話して下さいました。


いつもは、現代工芸を見て下さっているお客様達が、
楽しそうに、作品を選んでいる様を見て、
日本人としての遺伝子の中に、
民芸に対する造詣の意が、
やはりちゃんと育まれているんだ・・・
ということに、気付かされました。



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会期中、
篠原さんの湯呑で、お茶やコーヒーを味わって頂き、
岡本さんの抹茶碗で、先生自ら点てて下さったお抹茶を頂き、
民芸の良さを、私達に教えて下さいました。


そして、台風の最中、訪ねて来て下さったお客様。

‘集’は、こんな素敵な方達に支えられて、

感謝の念に堪えません。



暑さが増す中、
お花の世話や、花材を切らすことなく
会場をいつも華やかに演出し続けて下さった、
久美子先生と、君子先生。


みなさんに、感謝を☆



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by gshu-gwearch8 | 2012-07-20 08:52