SAKADU 酒津焼
倉敷で唯一、父子相伝の窯元、酒津焼(さかづやき)。
明治2年より、140年続く窯元です。
今回出品くださった、岡本研作さんは6代目。
酒津焼は岡本さんの窯元唯一つだけです。
古くから地元の方に愛されています。
茶碗、茶入れ、水指、香合など、茶器を中心とした構成で、
釉薬のバリエーションによる作品の魅力を
披露してくださっています。
【茶器】
そして、【インテリア】で楽しめるこんな作品も・・・・・
【酒器】
お酒が大好きな岡本さん。
時には、お料理もなさいます。
【花器】
茶陶を創る一方で、実は、立体物を創ることが大好き。
立体は、自分の個性を自由に表現できるから。
裏千家のお茶をされている岡本さん。
とても美しい所作で、お茶を点ててくださいます。
静かな物腰の岡本さんの、もうひとつの顔が、
花器という、立体に大胆に表れています。
釉薬の流れも「動」を感じます。
倉敷最古、父子相伝の焼物、酒津焼。
倉敷の水源地で桜の名所、酒津公園のほとりに窯元があります。
酒津焼は、1869年(明治2年)、初代岡本末吉氏によって興され、
以来140年の歴史を継承する、倉敷で唯ひとつの窯元です。
鶴形山の麓、戎町に開窯し、倉敷新田灘の粘土を陶土に、
萩から陶工を呼び寄せて、制作されたのが始まりです。
1876年(明治9年)には、酒津に良質の陶土があることを聞き、
酒津に窯を移し、
甲山の南山麓、高梁川西岸、高梁川東岸、
酒津水門の現在の地へと築窯しました。
主に食卓で使う食器を中心に、制作されてきましたが、
昭和初期には、近藤悠三、濱田庄司、河井寛次郎、富本憲吉、バーナード・リーチ氏らの
来窯と指導が、その後の酒津焼に、大きな流れを与えました。
やや肉厚の素地に、たっぷりと掛けられた釉薬の厚み。
大らかで、深みのある味わいを醸し出しているのが、酒津焼の特徴です。
海鼠・萩・並釉・伊羅保・蕎麦など、数種類の釉薬を使い分け、
一層味わいを深く出しています。
6代目になる研作さんは、中でも、海鼠(ナマコ)釉を得意とし、
白・ベージュ・茶・青へと、色の変化による風情を引き出し、
ガラス質のような表情で、作品の骨格を引き立てます。
カーテンのドレープをデザインに取り入れ、造形で表現した、
花器や壺などは、ファンからも定評の高い作品です。
ゆったりとした見込みに、掌に優しい抹茶碗や、
水指の茶道具も、茶人に愛されています。
個性が光る、茶器や花器、そして茶事に使える器から、
日常の食卓を楽しませてくれる器まで。
地元で永く愛され続けてきた酒津焼の魅力を、
この古民家の空間で訪ねてみたいと思います。
【倉敷陶物語】
酒津焼窯元6代目 岡本研作(おかもとけんさく)
by gshu-gwearch8
| 2012-06-23 09:15